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加須屋 誠 『地獄めぐり』 ~自己の内面の欲動を、顧み・抑えること、としての地獄思想に触れることが出来ます。

 余談ですが、時代の流れが、どうも「そちら」(キャッシュレス)の様なので、私もその一つ、《PayPay》を始めました。
 Yahoo ! JAPAN IDで、チャージ用のYahoo ! JAPANカードもつくり(それも、Tポイントに有利なマスター・カード)、正統的に構築しましたが、結局、チャージは、セブンイレブンATMでしています。
 始めるにあたって、ネットの各種投稿、特に、You-tubeの動画の説明が随分役立ちました。始めると簡単で、確かに、《現役》の人には、必須かもしれません。

 今日の本題です。

 子どもの頃、親から「嘘をつくと閻魔さんに舌を抜かれる」とか、「お天道さまが見ているよ」などと言われた記憶があります。
 また、小説に出てくる「火車(かしゃ)」とはどういうもの、と思ったこともあります。

 しかし、閻魔さんや、地獄について、きちんと知る機会が無いまま72歳まで来ましたが、ここで始めて、この本で知ることが出来ました。

加須屋 誠 『地獄めぐり』(講談社現代新書)

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 今、もう一冊

中島 敦 『中国小説集』(ランダムハウス講談社)と、
『中島敦』(河出書房新社・道の手帳)

も読んでいます。

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 後者については、神奈川県民ホールで、オペラ『カルメン』を観る折、神奈川近代文学館の「中島 敦」展に立ち寄ろうと思ったからです。
 『カルメン』については、《ゲネプロ(総仕上げリハーサル)》と《本公演》と、2回(2日)観ますが、ゲネプロ前に文学館(「中島敦展」)を、本公演終了後は、近くに泊まって、翌日、横浜美術館(「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」)に行く予定をしています。

 さて、閻魔さんや地獄・・、

 まず、〈閻魔天〉が、裁きの〈閻魔王〉になったのは、12世紀頃からのようです。
 閻魔、は、サンスクリット語のヤマ神の音訳です。そこに、チグチス・ユーフラテス河流域のシュメール人の文化である地獄の思想が入って来ました。

 中国では、8,9世紀頃から民衆に道教の教えが混ざって、そのような傾向がありましたが・・例えば、人が死んで7日、49日毎に閻魔王の裁きがあるので、肉親らは、少しでも刑が軽くなるように供養した如く・・、我が国では、まだ、仏教伝来当初は、閻魔王という、最初の人間、したがって最初の死者として、12天の一人として仏教を守る役割がありました。

 やがて閻魔天から、裁きの〈閻魔王〉になった閻魔は、同生神同名神、という二人の倶生神を従えています。
 二人は現世に出張し、前者は人の右肩、後者は人の左肩に付いて、人の生涯の善悪の行いを詳細に記録します・・いわゆる「お天道さまが見ている」ことでしょうか。

 人は死ぬと、先の記録に基づいて〈閻魔王庁〉の合議で裁かれます。
 合議は、閻魔王のほか、書記の司命、司録など〈五官〉です。先の記録の外、〈浄頗梨鏡(じょうはりきょう)〉という、過去・現在・未来の一切を写す鏡もあります。

(以下、下記の「続きを読む」をワン・クリックしてお読みください。)

 と、その前に、人は死ぬと、〈三途の川〉を渡る前に、河にひかえる〈脱衣婆(だつえば)〉か、時によっては男の〈懸衣翁(けんえおう)〉によって、衣服をとられ、それは、〈衣領樹(いりょうじゅ)〉に懸けられます。

 死産、堕胎、あるいは親よりも先に死んだ親不孝な子は、〈賽の河原〉で、鬼に監視されて、積んでは崩れる、永久の石積みに従事することになります。
 頭に、〈胞衣(えな)〉【母の体内で赤子を包む膜】をのせたのが堕胎された子どもです。救えるのは、六道救済の慈悲深い〈地蔵菩薩〉です。

 ・・元に戻って、
 悪行があると、地獄に落ちます。
火車」は、ひたすら地獄に運ばれる車です。
 地獄の門番は、狗(犬)です。蛇(龍)もいます。

 と、その前に、歌舞伎や文楽で、〈浄土〉は、西にある、とよく言いますが、西にあるのは、阿弥陀如来の極楽浄土です。
 東にも、薬師如来の瑠璃光浄土、
 南にも、観音菩薩の補蛇落(ふだらく)浄土、
 天空にも、弥勒如来の兜率天(とそつてん)浄土、
があります。

 地獄の所在地は・・、須弥山(しゅみせん)という高い山の、周囲の海の、南側、台形の土地にある鉄囲山(てっちせん)と大鉄囲山(標高約4,760km)の間に位置し、一説によると、段々深くなる8層になっていて、一番下まで約250,000kmあると言われます(八大地獄)。

 その8層は上から、等活地獄、黒縄地獄、衆合地獄、叫喚地獄、大叫喚地獄、焦熱地獄、大焦熱地獄、阿鼻地獄という順になっています。
 その各々の東西南北に門があり、〈別処〉という小地獄があります。

 例えば、〈等活地獄〉では、亡者同士が、鉄の爪で死ぬまで戦わされ、
〈黒縄地獄〉では、煮えたぎった釜の上に張られた鉄縄を鉄の塊を背負って渡らせられ、
〈叫喚地獄〉では、口の中に煮えたぎった銅を流し込まれ、
〈大叫喚地獄〉の別処では、獄卒に熱鉄の金鋏で舌を抜かれ、
〈阿鼻地獄〉では、2千年かけて頭を下にして足を上にして落下していく、・・といった具合です。
 何れも、死んでもすぐに地獄で〈生きかえり〉、同じことを繰り返されます。

 これらは、「正法念処経」12巻、浄土系の「六道絵」(聖衆来迎寺蔵)を始めとして、源信の「往生要集」、あるいは、「日本霊異記」、「今昔物語集」など多くに出て来ます。
 民衆への教化のため、あるいは、本書の著者は、私たち(衆生)の自己の内面のあり方、特に、暴力とエロスの欲動を顧みるところにある、と繰り返して主張されます。

 新鮮な書物(本年6月刊行)で、上質紙にカラー写真が巧く編集されていますが、惜しむらくは、写真が小さすぎて、細部まで見られないことです。ま、それは、何れ、参考文献にある、図録などを見てみたいと思っています。★
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Re: お薦めです。

 お薦めです。著者に、再三、あなたの潜在意識にあることです、と言われれます。
 電子書籍が良いですか。小さいタブレットは買ってあるんですが、あまり利用していないんです。研究してみます。
 ペイペイ、そうそう、現役を退いて、コンビニに行かないんです。でも、昨日泊まったホテルは、ペイペイを使え、使っていたら10パーセント戻って来ていたんです。
 2,000円しかチャージしていなかったのでダメでしたが。

おお、この地獄の本は買ってみようと思います。

写真が小さいんですか。そういう場合電子書籍(私はもっぱら最近はこれ、読んだらブクログで整理しておくと引っ張り出すのも便利だし)でも、写真は拡大に堪えないことが多いんですよねえ。残念。

バリバリ現役世代ですが、PayPayはどうかなあ。実はほとんど小売店やコンビニで買い物しないし。
こちらは様子見とします。
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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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