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国立劇場・十月歌舞伎公演『通し狂言 天竺徳兵衛韓話』 ~成駒屋・中村芝翫、独壇場の熱演、大活躍です。板東彌十郎との競演、大蝦蟇の登場、屋体崩し、水中六方、早替わりの圧巻もあります。

 皆様、台風の被害はありませんでしたか。
 私は、中学生の頃、第2室戸台風で屋根を飛ばされた経験がありますので、台風には、敏感になってしまいます。

 台風で、永田町・国立劇場は、12,13日が休演となりましたが、私は、10日(木)正午から、妻と、十月歌舞伎公演

通し狂言 天竺徳兵衛韓話
(「てんじくとくべえ いこくばなし」)

を観賞しました。
 このブログでは、既に、8月22日に、物語を詳説しています。

20190925143618fc2.jpg 

 本公演では、国立劇場らしく、「序幕」(北野天満宮鳥居前」「別当所広間」で、佐々木桂之介(中村橋之助)が、将軍から預かった宝刀〈浪切丸〉を紛失する前振りがあって物語が理解しやすい演出です。
 しかし、ここは、地味で、やや退屈気味。35分の休憩に入ります。

 第2幕目(「吉岡宗観館」「裏手水門」)からは、天竺徳兵衛(中村芝翫)が登場して、舞台が華やぎます。
 徳兵衛は、アイヌの民族衣装〈厚司(あつし)〉を着ていて、よく見ると、舞台背景も南国樹木が描かれています。
 前半は、徳兵衛の〈異国話〉。琉球を沖縄の水族館の話にして始まり、台湾、果てはハワイのワイキキビーチ、最後に天竺(インド)と、そこまでは、軽妙なアドリブ三昧です。

 後半は、父、吉岡宗観(板東彌十郎)との対面、切腹し瀕死の宗観から、妖術を授けられます。
 板東彌十郎×中村芝翫の熱演、そして、「屋体崩し」のスペクタクルと巨大な蝦蟇(がま)の登場で、舞台は熱を帯びます。
 蝦蟇は、今回、高さ約1m、体長約2.5mとかで、「古風」に造ったとか。

20191011150421a4d.jpg 

 最後は、中村芝翫は、〈水中六方〉で花道を去ります。東西南北さらに天地をかく如き動きの六方の水中版で、まさに、ハイライト場面。
 ここで、25分の休憩。
 余談ながら、ここで、私は、たいがい、ミカンと醤油の効いた煎餅を食べます。

 さて、いよいよ、大詰(「梅津掃部館」「奥座敷庭先」)
 座頭・徳一に化けた徳兵衛が、軽妙なアドリブで木琴を聴かせ、その後、正体を見破られ、舞台、庭の泉水に飛び込んで逃げ、早替わりで花道から、裃姿の斯波義輝(しばよしてる)、偽の将軍家上使として現れます。

 しかし、この泉水~早替わりは、やや、期待外れ。
 初演(文化元年、1804年・河原崎座)の頃は、本水に入って、床を転がって水を手ぬぐいで拭き、長裃姿に早替わりした水中早替わり、とか聞いていたので、今回、単に、舞台セリの正方形の穴に跳び込み、周囲で、噴水のように数本で水を出しただけだったのは、ちょっとチャチでした。

(以下、下記の「続きを読む」をワン・クリックしてお読みください。)

 最後は、徳兵衛が切った、へび年、へび月、へびの日生まれの梅津奥方葛城の血が、徳兵衛に付いて、蛙(蝦蟇)はへびに弱いですから、徳兵衛の蟇の術が効かなくなります。
 しかし、まあ、考えましたねえ。日本の古典は。こういうところ素晴らしい発想です。

 幕は、これまた歌舞伎らしい、勝敗の結論を出さずに「後日に持ち越す(再会を約す)」ということで、
徳兵衛が、宙に「大入り」文字を書いて観客に感謝します。
 こういった、歌舞伎の約束事、これも実にいいですねえ。

 全般的に、国立劇場の歌舞伎は、生真面目ですねえ。ま、観光客向けのような、《(よりどり)みどり》より、このような《通し》公演は、私は、好きです。
 ただ、松竹は、もっと役者を貸してくれれば良いのに・・。

 因みに、11月公演は、中村吉右衛門などの『通し狂言 孤高勇士嬢景清 四幕五場』です。

 この日は、終演後、ホテル・ニューオータニまで15分ほど歩き、会員専用ルームで1時間弱、洋菓子とフレッシュ・ジュースを頂いて休み、蝶ネクタイを締めて、17階の「ザ・スカイ」のディナー・バイキングを楽しみました。
 余談ですが、蝶ネクタイの締め方のコツは、靴の紐を結ぶように、首で結べば簡単です。
 バイキングでは、ステーキが、国産牛で美味しく、2人前にしてもらって二度食べました。デザートに、ブドウを、四回お代わりしました。
 約2時間。終わって外に出ると、雨が。タクシー乗り場は、行列していたので、小降りでもあるし、四谷駅まで、遊歩道を、10分ほど歩いて帰りました。

 来週は、神奈川県民ホールで、『カルメン』のゲネプロ(最終リハーサル)と本番を観ます。
読み替え、新演出らしいので、
安藤元雅『オペラ対訳ライブラリー カルメン』
を読み直しています。

 最後、今日の、役者をまとめて書いておきますと・・、

○天竺徳兵衛(木曽官の息子大日丸・座頭徳市・斯波左衛門=
中村芝翫(昭和40-・成駒屋・8代目。元橋之助)
○梅津掃部(かもん)=
中村又五郎(昭和31-・播磨屋・3代目)
○梅津奥方葛城=
市川高麗蔵【昭和32年ー・高麗屋・11代目】
○佐々木桂之助=
中村橋之助(平成7-・成駒屋・4代目。芝翫の長男)

○吉岡宗観(木曽官ーもくそうかんー)・細川政元=
板東彌十郎【昭和31-、大和屋、初代】

○宗観妻夕浪=
中村東蔵(昭和13-・加賀屋・6代目)
○銀杏の前=
中村米吉【平成5-、播磨屋・5代目・中村歌六の長男】
○山名時五郎・奴鹿蔵=
中村歌昇【平成元年-・播磨屋・又五郎長男】
○石割源吾・笹野才蔵=
中村松江【昭和41年-・加賀屋・6代目中村東蔵⑥の長男】

 ・・みな、芝翫と息がピタリの良い配役でした。★
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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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