FC2ブログ

計良宏文『ヘアメイク展』で文楽人形に邂逅しました。森村泰昌の(なりきり?)《自画像》にも興味を持ちました。

 「えっ、文楽人形がある !?」・・、と言うことで、

20190827160734501.jpg

 8月27日(火)、埼玉県立近代美術館で、会期末(9月1日まで)間近の、

『May I Start ? 計良宏文の越境するヘアメイク展』

を観てきました。

 計良宏文(けら ひろふみ)さんは、1971年生まれの、資生堂トップヘアメイクアップアーティスト(1992年入社)。
 資生堂美容学校卒業のとき80名が、一年後8名、さらに一年後1名だけ残り、資生堂で《TSUBAKI》ブランドなど多くを手がけ、《ドルチェ&バッバーナ》のオートクチュール・コレクションで100名のモデルを、スタッフ30名を指揮するなど、世界で実績を積んでいます。
 この道に入ったのは、高校生の時にビジュアル系バンドのコピーバンドをするなどこの方面に興味があったことが大きかったとか。

201908272100267ee.jpg 

 《ヘアメイク》とは、ヘアスタイリングとメイクアップの両方を指す言葉だそうで、文楽人形に当てはめると、〈かしら(頭部)〉の、頭部と顔を化粧で作ることでしょうか。
 May I Start ? は、ファッションショーで、モデルにかける言葉。

 第4室には、文楽人形が置かれ、壁には映像が流れています。写真撮影可です。
 人形を遣っているのは、勘緑(かんろく)で、文楽座で桐竹(1979-)勘緑→吉田(1986-1990。)勘緑として活躍し、独立後は、木隅社を主宰するフリーの人形遣いです。
 文楽では、桐竹勘十郎(二世。1920-1986)と吉田簑助(三世。1933-)に師事したとか。部外者ながら、簑助の元を去ったのは惜しい。
 最後の舞台は、1990年6月・国立文楽劇場の「仮名手本忠臣蔵」の千崎弥五郎でしょうか。

2019082716034059a.jpg 

 さて、余談ながら、私は、これまで女性の、服のファッションを見ていても、ヘアスタイルのほうにはそれほど気にかけていなかった様な気がしますが、これを機会に、女性のアタマも良く見ることになりそうです。

 この展覧会では、6人の女性アイドル・グループ(でんぱ組.inc)「いのちのよろこび」CDジャケットのウィッグや、
ヨウジ・ヤマモトのパリ・コレクションでの、モデルが、BGMでは無くて、自分の好きな曲をヘッドホンで聴きながらランウエイを歩く、そのヘアスタイルが、20数個の既製のヘッドホンで、パターンを変えて組み込まれているものや、ティッシュ・ペーパーをヘア・ジェルで固めて成形したウイッグや、偏向パールで色彩が変わるものもあります。
 展示は、このように多くのファッションショーの動画、さらに、多くのマネキン、ウィッグがあります。

(以下、下記の「続きを読む」をワン・クリックしてお読みください。)


 素人の私は、氏の遣うメイク道具類を興味深く見ました。
 膨大な種類の筆などのメイク道具類だけでなく、発砲スチロールなどを切る熱電式カッターや金属・木材加工用リューター、エアブラシ、スパナ、折りたたみのこぎり、各種カッター、ヤスリ類など多彩です。

 暗幕を潜って第3室に入ると、
森村泰昌(もりむら やすまさ。1951-)扮する「デューラーの手はもうひとつの顔である」(2016)
などがあります。
 作者森村泰昌が、アルフレッド・デューラー(ドイツルネッサンスの画家。1471-1528)の、自らをキリストに準えた自画像(1500)に扮した(なりきった)画像の、肩までかかる巻き毛をヘアーメイクした作品を始めて観て興味を持ちました。

20190828160012308.jpg 

 最後の会場には、勅使河原城一との、ウイッグと花のコラボ作品などがありました。

 展示は、欲を言えば、製作過程や作品説明が細かくあっても良いのかなと思いましたが、周囲は、何となくプロの方が多いようで、蛇足なんでしょうか。
 いずれにしても、公立美術館では見られない試みで、当初考えていたよりも、新たな発見のある、インパクトを受けた展覧会でした。

 なお、1階展示室では、「第2期 MOMAコレクション」展示が行われていました。
「二科会」の創立にも参加し、また、「二科会の花」とよばれた斉藤豊作(さいとう とよさく。1880-1951)の作品が目につきます。★

 執筆後記:今回のブログ執筆は、展覧会を観ていた時間以上に時間を費やしました。
 勘緑さんの師弟関係を追っていったり、最後の舞台演目を調べたり、初見の森村泰昌さんの作品について調べたりするほか、大体が、ヘアメイクなど知りませんでしたから。
 でも、きっと、ブログを書いていなければ、こんなに調べたりせずに、観に行って、それで終わっていたかもしれません。その意味で、ブログを書くということは、私自身にとって格別に意義があることを、改めて認識しました。☆

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

感動人

Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

最新記事
最新コメント
FC2カウンター
検索フォーム
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

記事のカテゴリ
読みたいテーマを選択してください。
リンク
RSSリンクの表示