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映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』を観ました ~「図書館は本・・」では無い。そのことを、約50の、高度で、貴重、新鮮な実践活動を4時間近くの映像で観ることが出来ました。「凄い !」の一語につきます。

5月28日(火)10時10分から、神保町・岩波ホールで、

映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』

を観ました。

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 朝9時に劇場に着き、3番目でした。この日(回)は、ほぼ満席です。
 この劇場は、定員200名ほどなので、最良席は、最前列です。見上げるようにはなりません。上映時間は、3時間40分
 《エクス・リブリス》(ex libris)とは、《蔵書票》のことです。

 名匠、フレデリック・ワイズマン監督の〈ドキュメンタリー〉作品ですが、いわゆる、普通に想像するような、映像に解説が付くような形式ではありません。
 解説などは一切入らず、図書館で行われる講演、研究会、会議・ディスカッション、各種イベント、それに勿論、司書や図書館バックヤードの仕事などをじっくり映していきます。 どれも内容は、可成り水準の高い議論などですので、観るにはそれなりの覚悟が必要です。

 私が、特に、印象に残ったのは・・、
「読書会」での、ガルシア・マルケスの「コレラの時代の愛」についての参加者の議論です。聞いていて興味が沸き、一度読んでみようと思いました。

(以下、下記の「続きを読む」をワン・クリックしてお読みください。)


 だいたいが、映画の冒頭から、英国の進化生物学者・リチャ-ド・ドーキンス博士のロビー講演です。
 このように7人の有名人・・、
作家・タナハシ・コーツ、
詩人・パティ・スミス、
陶芸家・エドムンド・デ・ワール、
ミュージッシャン・エルビス・コステロ、
詩人・ユーセフ・コマンヤーカ、
俳優・マイルズ・ホッジス(この時には、子どものグズル声がずっと入っていました。これも、図書館の「普段」を見られた思いです。)、
・・が登場し、それぞれの思想のエッセンスを語ります。

 また、同館舞台芸術図書館の、劇場「手話」通訳者のワークショップが面白かった。
 同館が所蔵する、ジェファーソンの「アメリカ独立宣言」草案を、参加者2人に、怒りの態度と懇願の態度で読み上げてもらい、手話の重要な特性、手だけで無く全身の態度が必要だ、といったことを伝えます。
 そう言えば、点字の読み方講習や製作場面もあります。

 かと思えば、幹部会議で・・、
ホームレスも地域の利用者、共生はとか、地域のIT、デジタル格差解消(この部分、wifi貸出しなど、驚くほどの問題意識と解決実践です)、電子書籍対応などシビアな議論が続きます。

・・これら、約50のテーマがあるのです。それを、3時間40分かけて見せていくのです。
 50ある、と言うのは、映画のパンフレットを見て、数えて、分かりました。このパンフレットも、並の商業劇場には無い充実さです。800円。

 つまりは、これだけ、ネタのある図書館だし、活動している、ということです。
 ニューヨーク公共図書館は、全部で92館(研究図書館4館含む。)からなり、図書サービスだけでは無く、パソコンやロボット製作講習、就職斡旋会、障害者の住宅斡旋講義、音楽会、シルバー・ダンス教室などあらゆることをしています。

 残念ながら、日本の図書館では、このようなことは、無理だと思いました。
 まだ、「本」だけに拘泥しているし(それですら、電子書籍の扱いは少ない。)、派遣、委託や指定管理制度で、合理化ばかり追求して、たまに、民間の異色指定管理者が出ても、せいぜい喫茶コーナーを造ったなどと自慢しているくらいでは、やることが全くズレています。

 映画は、普通は見ることの出来ない、バックヤードの仕事も映像化されています。
〈ドキュメンタリー〉というと、こういう内容を思い浮かべるのですが、この作品は、間、間に挟まれて写し出されるだけです。本題は、別、なのです。
 しかし、さすがに、司書の能力は高いですね。

 このニューヨーク公共図書館は、いわゆる半官半民ですが、〈公共〉とは、公立の意味では無くて、「公共」の為の意味があります。
 映画の中で、出て来ますが、「図書館は、本や書庫ではない、人なのだ」をまさに実践しています。

 見終わって、その長さと内容の深さに感心して帰途につきました。
近くの席で、爆睡していたお兄さんがいましたが、私には、インパクトの強い作品でした。

 余談ですが、このホールの職員は、親切だし、質が高いですね。
 さて、終映後。神保町に来たときは、いつも、なぜかワン・パターンになり、三省堂地下のレストラン「放心亭」でステーキ・ランチを食べてから、古書店巡りをスタートしています。
 古書店巡りも、年季を経て、いろいろ買えるような財布を持てるようになったのですが、逆に、若い頃のような、あちこち見尽して、歩く馬力は、もう、無くなりました。★
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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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