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国立博物館(上野)で「特別展 国宝 東寺ー空海と仏像曼荼羅」展を鑑賞しました ~時を忘れる、ということを経験した、圧巻の110点の彫刻、曼荼羅図、法具などでした。「特別展 美を紡ぐ 日本美術の名品ー雪舟、永徳から光琳、北斎まで」も鑑賞しました。

 5月14日(火)、雨が降りそうなので、9時に家を出て、上野の国立博物館(上野)で、

「特別展 国宝 東寺ー空海と仏像曼荼羅展」

を鑑賞しました。

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 特に、第四章の部屋では、約20体の仏像彫刻に、時がたつのを忘れて、あちら、こちら、と何度も観ました。お寺と違って、フロアに置いてありますから、横からも、後ろからも観られます。
 奥の荘厳な、如来像も良いですが、さすが、明王像は迫力があります。菩薩像・・後で、違いをご説明しますが・・も、修行中の特色が面白い。
 唯一、《写真可》の「帝釈天騎象像」の前では、人だかり。でも、近寄れない混みようではありません。

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 「両界曼荼羅」・・これも後でご説明します・・も、相当、予習した甲斐あって、ポイントをよく観られました。
 3時間近くいたでしょうか、その後、昼食抜きで、別会場・別料金の、

「特別展 美を紡ぐ 日本美術の名品ー雪舟、永徳から光琳、北斎まで」

も観ました。

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 これが、また凄い。
狩野永徳(1543-90)「唐獅子図屏風」(左は、狩野常信)や「檜(ひのき)図屏風」(1590)、
雪舟「秋冬山水図」、
長沢芦雪「花鳥遊魚図巻」(「奇想の画家」の一人です。)、
さらには、
藤原定家筆「更級日記」写本(原本は、失われています)
といった、まるで、教科書か美術書でも観ているように、「超」有名作が目白押し。こちらは、2時間近くいました。

 この日は、「日本庭園」も公開されていたので、欲張って、そちらも散歩したら、おなかが減ってクラクラしてきました。
 間にレストランに行ったのですが、満員であきらめたのです。

 ところで、先にお話ししますが、日~月曜日は、5月国立劇場「通し狂言 妹背山婦女庭訓」に参ります。〈通し〉(10時30分~21時)公演なので、隣のホテルに泊まって、2日に分けて鑑賞に参ります。

 (以下、少し詳しく書きますので、「続きを読む」をクリックして、時間をかけてお読みください。必ず、鑑賞のご参考になると思います。)

 今回の特別展は、823年に、空海 (774-835)が、嵯峨天皇 (786-842。809年即位)から、建設途中に与えられ、密教の修学道場とした、「東寺」(教王護国寺)の、空海にかかる密教美術が、大挙公開されています。

はじめに、私は、少し基礎知識を学び、予習しました・・、

密教」では、〈顕教〉のように経典研究によって悟りを求めるのでは無く、(宇宙の生命の根源である、つまり、法身仏。))「大日如来」から、直接に悟りの真理を体得しようとするものです。

 「法身仏」は・・、
薬師如来や阿弥陀如来のような過去の善行によって仏となった〈報身仏〉や、
釈迦のような歴史的人物の〈応身仏〉、
ではありません。
法身仏は、宇宙の源(「六大」、つまり、地、水、火、風、空、識)として、これにも大日如来が宿っていると考えます。

 なお、前記の六大の、「地」と言っても、物理的な物では無く、堅固、普遍のものを言います。
「水」は、清浄、冷気、柔軟なものを、
「火」は、浄化、温熱、成熟したものを、
「風」は、宇宙全体の呼吸、活動、影響をおよぼすもの、
「空」は、包容力、むげんのものを、
「識」は、心、認識する理性、生命力・・といったものが実体です。

真言」は、サンスクリット語「マントラ」の訳で、大日如来が語った真実の言葉です。
因みに、空海の真言宗には、現在、古典真言宗系と新義真言宗系(真言宗豊山派など)があります。

 悟りに至る思想は、「曼荼羅」(まんだら・サンスクリット語で、本質を有するもの)で説明されます。その世界は、奥が深く、言葉で表すことが難しいからです。
金剛界曼荼羅」(向かって左に置き、「」を表し、教えを説き悟りを開く過程を表します。九会(くえ)曼荼羅とも。)や、
胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅」(右に置き、「」を表し、大日如来の慈悲の世界を表します。正式には「大慈悲胎蔵生曼荼羅」)、
両界曼荼羅
また、「立体曼荼羅」である彫刻の仏像群で、その思想を表します。

如来」は、修業を完成した、完全な人格者の意味を持ちます。「胎蔵界曼荼羅」では、中心の大日如来を囲んで、四如来がいます。大日如来を含めて、五仏(五智如来)です。
 なお、如来は、人々も悟りで仏になれるという大乗仏教(仏は釈迦のみというのは、上座仏教小乗仏教)で、仏ではありますが、その上部、高次に大日如来が存在していますから矛盾しません。

菩薩」は、悟りを求める者の意味があります。前記のそれぞれの如来の隣(従って、一つ飛ばし)に四菩薩がいます。

明王」は、〈明呪(みようじゅ・まじないの意味)の王〉の意味があり、怒りの形相で、仏法を守ります。「不動明王」は、大日如来の化身・使者で、密教の修行者を護り、人々の悪心を滅ぼし、悟りに導きます。〈お不動さん〉と親しまれています。
 「胎蔵界曼荼羅」では、五仏・四菩薩の下の持明院の囲いにあります。

 この世で幸せになる、「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」は、仏の教えを体感、一体化して、生きながら悟りを開きますが、この複雑な教えは、応身仏のように言葉や文字からでは無理で、宇宙の根源である大日如来から直接、悟りを得るのは、曼荼羅のような絵や、彫刻によって理解し、「三密」(身体、言葉、心)の修業が必要になります。
 因みに、「身体」では、例えば、「手印」、つまり、手の動きなどがあります。

・・と言った基礎を基に絵や彫刻を鑑賞してきました。
 展示物は、沢山ありますが、少しだけご紹介します・・
 部屋ごとに、「章」建てでテーマを分けて展示されています。

第一章「空海と後七日御修法」
○弘法大師坐像~空海が弘法大師という名を与えられたのは、入定後90年経た921年です。○最澄にあてた空海の書簡、「風信帳
○空海が、師・恵果(けいか)阿闍梨から賜った、密教法具の 五智を象徴した、五錮杵(ごこしょ) 五錮鈴(ごこれい)、その置台

本章のハイライトは・・、
○「後七日御修法」道場大壇の再現
~(後七日〉とは、正月8日から14日の7日間行う、鎮護国家、五穀豊穣と天皇安穏のための法要です。835年から行われ、1871年(明治4年)までは宮中公式行事でした。
 両界曼荼羅の一つを、1年交代で遣います。

第二章「真言密教の至宝」
○密教の潅頂(かんじょう)儀礼で用いられた屏風、「十二天屏風」(1191)
~絵は、宅麿勝賀(たくましょうが)、梵字は、仁和寺御室・守覚法親王(しゅかくほっしんのう)。
○両界曼荼羅のうち、「胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅」

第三章「東寺の信仰と歴史」
兜跋(とばつ)毘沙門天立像
~平安京正面の平安京羅城門に安置されて、都を守護しました。中央アジア風鎧が特色。
○十二天面。行列のときのお面です。
○八部衆面。やはり、お面です。
○「後宇多天皇宸翰(しんかん)荘園敷地施入状」(1308)
~真言僧の修法伝授を受けた宇多天皇が、寺領を整備して真言密教の興隆を図るよう指示した文書。

次が、ハイライト。床に置かれた大きな仏像を四方から観られます・・、
第四章「曼荼羅の世界」
○「金剛界曼荼羅」
○五大虚空蔵菩薩坐像(・虚空蔵菩薩像、・法界虚空蔵菩薩像など)
~空海は、若い頃、はじめに〈虚空蔵求聞持法〉の修業をしています。

○五大明王像のうち、金剛夜叉明王立像など
○五仏(五智如来像)像のうち、金剛界四仏など
○四天王像 持国天立像など
○帝釈天騎象像像
○五大菩薩像 
阿弥陀如来像など如来像

 まさに感動しつつの鑑賞でした。
 素人の勉強ですので、言葉足らず、あるいは、万一誤解しているときは、お許しください。これからも、学んでいきます。★

参考:空海年表
・空海は、現在の香川県善通寺市あたる讃岐国多度郡屏風ヶ浦に生まれ、幼名を真魚(まお)と言いました。
・18歳で、官僚養成機構の〈大学〉に入学のち中退。現在の奈良県橿原市久米寺で「大日経」発見。
・804年、31歳で、第16次遣唐使船使節・留学生(私費)で入唐(最澄も一緒だが、還学生(国費)として、1年で帰国)。空海は、恵果から、密教の秘儀すべてを伝えられ、「偏照(へんじょう)金剛」(大日如来の意味)の潅頂(かんじょう)名を与えれました。
・806年帰国、太宰府・観世音寺に留まる。
・809年、嵯峨天皇即位し、都入りを許され、高雄山寺に在住。788年に比叡山を草創した最澄からの、密教経典12部の貸し出しを、「読むだけでは、理解できない」と拒否します。
・811年、乙訓寺別当。
・816年、高野山を賜る。
・823年、東寺を賜る。
・827年、大僧正に。
・「綜芸種智院」(庶民学校)開校。
・835年3月21日、高野山・金剛峯寺で入定(亡くなる)。
~以上。 
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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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