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重厚な三味線、華麗な簑助。際だった、俊寛の孤独感・悲劇を鮮明に描いた、国立劇場文楽公演『平家女護島』に感動しました。




 風が強く、すこぶる寒い日。それでも、ラッシュの余韻の残る地下鉄は《冷房》で、《強く感じる方は、弱冷房車へ》だって。

 7日(火)11時から、国立劇場文楽公演、

近松門左衛門『平家女護島(へいけにょごのしま)』
(1719年初演)

を鑑賞しました。
 着物の御婦人が随分と多いですが、やはり、着物って暖かいのでしょうか。

 今日の席は、舞台も、床も、両方とも良く見られる、文楽では、ベストの8列25番です。私が好きなのは、この7、8列の、座って左側が通路の25番です。
 
 ちなみに、この2月公演は、近松《3本立て》の、バーゲンセールです。
 筋が単純で分かりやすいとは言え、「曾根崎心中」は、昭和の改悪台本。まっ、でも、お初の勘十郎を見たいところでした。
 「冥土の飛脚」〈淡路町〉の、呂勢太夫を聴いてもみたかったところもあるのですが、今回は、第一部の、論争が多く予習しがいのある、かつ、簑助も登場する、「平家女護島」にしました。

 昭和5年に復活して以来、二ノ切りでは、「平家物語」や「能・俊寛」とは違った、近松独自の悲劇性の解釈を舞台化するのに、彦六系・文楽系などの演出や〈海士(あま)訛(なま)り〉の強調(海士の女の土俗的な深情けか、普遍的な女の心情か、の表現)を巡っての方法論などの〈対立〉があります。今回は、平成7年以来の公演です。

 本舞台は、良くできた論文のように、序論、本論、結末の、すっきりした筋立てです。
 それもあって、俊寛の悲劇が際だちますが、天皇対武士、裏返せば、近松の執筆意図も十分感じ取れます。

 印象に残ったのは、錦糸→清介→藤蔵ら、の力強い三味線。もっとも、藤蔵は、力んでいるのか、両隣への遠慮なくソワソワ、ゴソゴソ・・。

 やはり、見所は、〈鬼界が島〉の段。
 冒頭から、島流しの惨めさが、すこぶる感じられます。近松の名文がさえ、沈痛な、緊張感が漂います。
 ・・またです。こんな時、単に人形の登場だけで拍手しないでほしいな。おまけに、その拍手たるや中途半端な拍手・・そんならしなけりゃいいのに。

 熱演、豊竹英太夫(三味線・鶴澤清介)
 
 それぞれの人形が良い。
俊寛僧都・吉田和生
丹波少将成経・吉田勘弥
平判官康頼(やすより)・吉田玉志

そこに、
瀬尾太郎兼康・吉田玉也
の熱演で、選択の余地ない、俊寛の生きる方途を鮮明に示して、感動です。
「餓鬼道、修羅道、地獄道・・」の言葉の重さ。

で、千鳥・吉田簑助、登場。じっくり魅せられました。
やはり、《華》がある。近時、引退多い中で、簑助もいなくなったらどうするのかしらん。

その後は、復活の「敷名(しきな)の浦」、
 熱演、豊竹咲甫太夫(三味線・鶴澤藤蔵)。
 太夫5人、三味線5人、で、ちょっと三味線に負け気味の太夫も。余談ながら、オペラなどでもいるんですねえ、オーケストラに負ける人って。

 2時終了。3部制の第1部終了の時は、臨時バスが出ないんですね。何とかしてほしい。
 アナウンスは、「次の回がありますから、迅速に席を空けてください。」だと。

 来週は、オペラ「トスカ」に参ります。歌姫フローリア・トスカを演じる、ニューヨークを拠点に活躍中の木下美穂子が楽しみです。★

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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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