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これからの文楽に、大きく期待が膨らみました。 ~国立劇場・人形浄瑠璃文楽公演『仮名手本忠臣蔵』(通し)



 歌舞伎とお隣同士、これも、「国立劇場開場50周年記念公演」です。

 12月18、19日、千秋楽とその前日、2日かけて、国立劇場、


文楽『仮名手本忠臣蔵』(通し)


を鑑賞しました。

 10時半から22時近くまでの約11時間。休憩は、昼夜、25分、10分、10分のごく僅か。
 近くのホテルに泊まって、2日に分けて鑑賞することにしました。
 18日は、4時半からの第2部、19日、千秋楽は、10時半からの第1部です。

 2012年(平成24年)11月22日に、大阪・国立文楽劇場で、同じ通しを聞いたときは、疲れなど感じませんでしたが、やはり、寄る年波で、疲れます。
 2012年(平成24年)のことも思いだしながら記してゆきます。
 
 まず、総じて感じたのは、現在の文楽の《水準》が分かり、日頃の「(よりどり)みどり」公演では、どうも案じてしまう、切り場語りの激減などから来る、文楽の将来への不安に、いくらか期待と安堵を持てるようになったことです。

(以下、下記の「続きを読む」をワン・クリックしてお読みください。)


 今回、第1部前半では、たたみかける物語のおもしろさに、次々と若手(文楽でいう若手の意味です。)の太夫が登場して、皆、熱演で、将来性が伺われること。

 また、それ以降の、ベテラン勢では・・、

なんと言っても、
4段目「塩谷半官切腹」の、豊竹咲太夫(三味線・鶴澤燕三)の貫禄。
因みに、24年大阪文楽劇場でもこれを語りました。


次に、7段目「一力茶屋」、故三宅周太郎が「人形芸術の輝き」と絶賛した場面が続き、太夫は、掛合で、また、三業のバランスが見事で、
 圧巻は、 

平右衛門、太夫・豊竹咲甫太夫。(24年は英太夫。)、
おかる、太夫・豊竹呂勢太夫。(24年と同じ。)、

平右衛門人形、桐竹勘十郎。(24年も)
おかる人形・吉田簑助。(24年も同じ。)

それに、由良助、太夫は、
(前)・豊竹咲太夫(三味線・鶴澤清介)
(後)豊竹英太夫。(三味線・鶴澤清治)

~ただ、24年大阪文楽劇場では、咲太夫のみで頑張ったのですが。

人形、
紋下格の人形の難役、由良助、吉田玉男。

と、バランスとれた《競演》。いつも、これくらいでありたいものです。満心の魂を入れた語り、芝居も及ばない人形のしぐさを堪能しました

 咲甫太夫は、下手、出床(でゆか)で、見台(けんだい)無しの語りの熱演。


9段目「山科閑居」。丁寧に、「雪転し」から。《逆勝手》で、上手が出入り口です。

竹本千歳太夫(三味線・豊澤富助)、が気迫の熱演。
 
 「山科閑居」は、文楽最大の難曲。
 名人でも、ここを割当てられると、礼儀として、一応辞退する段です。
(24年は、切、嶋太夫、奥、呂勢太夫(体調不良の千歳太夫の代演)でした。)

後、竹本文字太夫(鶴澤藤蔵)。三味線・藤蔵は、良く言えばノリ過ぎ、悪く言えば一人目立ち過ぎ、しかも、ややマイペースで、評価、好嫌の分かれるところ。

 ところで、舞台の、庭に降りる段取り「雨戸をはずす わが工夫。仕様をここに見せ申さん。」で、二代目豊竹此太夫(1726ー1796)と「早すぎてそこまで行けないので、もう少し延ばして語ってほしい」という初代吉田文三郎(?ー1760)が衝突して、此太夫が、弟子の島太夫、百合太夫などを連れて豊竹座に移った騒動もあります(1748年)

人形は、
加古川本蔵・桐竹勘十郎。(24年も同じ。)
大星由良助・吉田玉男。(24年も同じ。)

そして、
娘小浪・吉田勘弥(24年吉田一輔)
お石・吉田簑二郎。(24年も同じ。)
立女形格の戸無瀬。吉田和生。(24年も同じ。)
とのまさに火花の詰合い

 さて、いつもながら、太夫が熱演しているときに、人形(簑助、勘十郎、玉男、それに一部ご贔屓筋の人形)の登場だけで、拍手して、太夫の邪魔をする観客が、まだいますが、勘弁してほしい。ま、簑助は、しゃーないか。
 逆に、3段目。師直の悪口のあとの笑い。当時は、64笑もあったとか言われますが、こんな時、観客は淡泊。拍手のしどころが違うんでは。

 3段目、竹本津駒太夫(三味線・鶴澤寛治・代役、鶴澤寛太郎)、(24年大阪文楽劇場でも津駒太夫でした。)

 5段目の、仲蔵登場までは、かつて、〈弁当場〉と言われた!?そうですが、オペラにも〈アリア・デル・ソルベット〉というのがあります。
 そして、6段目。
「身売り」、
豊竹咲甫太夫。24年は、呂勢太夫。
「勘平腹切」、
豊竹英太夫(三味線・竹澤團七)、
やはり、熱演でした。
この段、24年の大阪文楽劇場では、切場語り源太夫で、英太夫は、花籠でした。

 失礼を承知で、あえて例えて言うと、文楽公演は、随分、〈禁欲的〉〈修行的〉、とも言える公演で、一日で、この《通し》を演ずるのも、聞くのも、大変でした。
 義太夫は諸芸の司。次年度も、安易な「みどり公演」ではなく、このようなしっかりした出し物に挑んでいただきたいものです。★

(写真は、国立劇場のHPを引用させていただきました。)

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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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