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9月・文楽公演「一谷嫩軍記」の後半を鑑賞 ~良かった。陰影深い表現や見得、それに、弥陀六の吉田玉也の技量にも感動しました。




 久しぶり、と言っては何ですが、良かった。
「国立劇場開場50周年記念」、9月・文楽公演、

一谷嫩軍記」 (いちのたにふたばぐんき)

(通し、文楽では、「立て」と言います。)、後半、第2部の鑑賞です。
 席の話題は、前回書きましたが、この日の席は、前回と同じ席で、中央最前列です。

 ところで、はじめに、観劇直前まで、今年年頭に刊行された、

フランソワ・ビゼ 『文楽の日本』(みすず書房)

を読んでいました。4200円と、えらく高い値段です。
 《首検分》は、人形だからこそ細部を示せる、と、この「一谷」も引用されて述べられていました。
 良書なので、後日、詳しくご紹介してみます。

 本題です。お話の順序が、後半からになりますが、まずは、最初に、2日に分けて観賞することになった、
「一谷嫩軍記」(通し)、の後半、3段目です。

 「弥陀六内」
竹本三輪太夫(三味線・野澤喜一郎)
いかにも、人形浄瑠璃らしい落ち着いた舞台で、〈出遣い〉もほとんど無くて、見入ってしまいました。

 「脇ヶ浜宝引」では、
豊竹咲太夫(三味線・鶴澤燕三)が好調。チャリ場のアドリブもたっぷりと、楽しめました。

 そして、「熊谷陣屋」。やはり良いですね。
 前・豊竹呂勢太夫(三味線・鶴澤清治)、後・豊竹英太夫(同・竹澤團七)の二人の熱演に感動しました。

 前・・、「花の盛りの敦盛を討って無情を悟りしか・・」の苦悩と陰影から「・・軍次はをらぬか早や参れ」の引っ込みまでと、
「一念弥陀仏、即滅無量罪」の独経から、「十六年は一昔」の詠嘆まで、
それに、石屋弥陀六の、たたみかける〈タテ詞〉の巧さ。

 ただ、折角、太夫が熱演して良い詞章なのに、人形の登場で拍手が入ります。ただの登場の拍手は、止めてほしいものです。

 その、ご本人には責めはないのですが、私もファンですが、いつも、登場で拍手が入るうちのお一人ですが、人形、熊谷次郎直実は、桐竹勘十郎。「妻の相模を尻目にかけて・・」の複雑な心の動揺など、第1部に続いて、やはり巧い。

 相模は、豊松清十郎。熊谷に蹴られて、その見得に対しての《海老反りの芸》(「寄るも寄られず悲しさの千千に砕くるもの思い」)が決まりました。

 今回、改めて注目したのが、石屋弥陀六(平宗清)の、吉田玉也
《タテ詞》に合わせた、「汝武門を遁れ身を隠し」のところの〈エドバラ〉、「涙の種とサ御存じ知らずや」のところの〈ネジ〉、「さぞ御一門陪審の」の〈弓張り〉、「恩を仇にて返さばいかに」の〈立見得〉、「心の環俗」での大見得〈カンヌキ〉・・など立て続けの太熱演。

 源義経は、吉田幸助。以前、この人の強い目線が気になって仕方なかったのですが、近時は、それがなくなりました。


 さて、順序が逆ですが、この日、まず演じられたのは、「開場記念」の祝祭的な、

寿式三番叟」(ことぶき、しきさんばそう)

です。

 太夫と三味線は、各9人勢ぞろい。
 太夫。翁は、竹本津駒太夫(三味線・鶴澤寛治)、千歳は、豊竹呂勢太夫(三味線・鶴澤藤蔵)、三番叟は、豊竹咲甫太夫(三味線・鶴澤清志郎)、豊竹睦太夫(三味線・鶴澤清丈)、

 人形は、翁・吉田玉男(43年入門)、千歳・吉田文昇(52年入門)、三番叟・吉田玉勢・吉田簑紫郎(63年入門)と、年季は、各10年の違いです。

 能舞台に似せてあり、しかも、太夫、三味線も、舞台後ろにずらりと並びますので、これだけは、一番前の席だと、三味線陣は、頭しか見えません。
 この日は、堪能した、文楽公演でした。

 12月には、「仮名手本忠臣蔵」、一度、大阪文楽劇場で、立てで観たことがあるのですが、これも、「通し」、ですから楽しみではあります。歌舞伎のほうも、10月から3か月かけての、これも通し、完全通し、ですから見逃せません。
 しばらくは、何度も、国立劇場に通うことになりそうです。

 さて、今週は、この後、孫の幼稚園の敬老会的な行事に招かれています。★

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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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