FC2ブログ

義理に泣く3人の情愛を熱演した千歳大夫。心にしみる富助の三味線 ~ 12月国立劇場・文楽本公演『紙子仕立両面鑑』(大文字屋の段)

 12月国立劇場・文楽本公演、

伽羅先代萩』(竹の間の段、御殿の段)、
紙子仕立両面鑑』(大文字屋の段)、

を鑑賞しました。

 席は、2列目中央。今回も、人形重視にしました。
 毎度ですが、文楽で好ましい席は、舞台だけでなく、横を向けば太夫が容易に見られる6~8列目位です。
 余談ですが、東京・国立劇場では、パンフレットは兎も角、特に、初心者の方は、今回のように珍しい演目の時は、『上演資料集』は、必ず買って、せっせとためていきましょう。大阪の国立文楽劇場でも、これを出せば良いのに・・・。

 12月は、超ベテランが出ませんから、若手にチャンスの公演です。それに、「文楽鑑賞教室」もあるので、初見の観客も多いはずです。
 しかし、それにしては、出し物が、・・・41年ぶりの、『紙子仕立両面鑑』(大文字屋の段)があるとは言え、一方は、封建的な、子どもの純真までイビツに扱った出し物(同じ様な考えは、例えば、三宅周太郎「続文楽の研究」(岩波文庫)、199ー202頁参照)と、もう一つ、この地味な出し物と、ある意味で、率直に言えば、退屈な出し物2本立てで、ちょっといかがかと思います。


まずは、
 
伽羅先代萩』(竹の間の段、御殿の段)。

 余談ですが、昨日、ボランティアで、サンタクロースをして、幼児と遊び過ぎたか、(「ねえ、トナカイは、どこにいるの ? 」など、可愛い。)しかも、物語前半は、よりによって、子どもの封建忠義物語で、あまり趣味では無く、時々、居眠り・・・。おまけに、一部の若い太夫の、やたら声は大きいが滋味に欠けるところがあったり・・。

 さて、女形と子どもばかりの、「御殿の段」、〈後〉、豊竹呂勢大夫(三味線・鶴澤燕三)の熱演から身が入りました。さすが、巧い。

千松の遺骸を抱いて、
「出来しゃった、出来しゃった、出来しゃった・・」、
その愁嘆劇での、赤い着物の、人形、
政岡、吉田和生
そして、
八汐、桐竹勘十郎の、憎憎しい悪人ぶり、千松を何度も刺してなぶる、。巧いですね。
まさに、三業の大熱演に引き込まれました。
 

 30分の休憩後(余談ですが、午前中から、鑑賞教室の公演があったせいか、劇場の暖房が利いて、思った以上にアツく、休憩時は、外に出てアイスを食べました。)。さて、この日、これを見に来た、期待の、

紙子仕立両面鑑』(大文字屋の段)。

 考えていた印象よりも、台本に工夫があり、全体のごく一部の段でありながら(道具屋・万屋の一人息子・助六は登場しません)、要領よく全体の出来事が想像出来るようになっています。また、チャリ的な場面も挿入されて、陰気さ、暗さを感じません。
(なお、「予習」は、
http://kandoujin.blog48.fc2.com/blog-entry-557.html  です。ここを、ワン・クリックしてください。)


 竹本千歳大夫が、義理に泣く3人の情愛を熱演し、人情の機微にふれます。
 冒頭から、豊澤富助の三味線が心にしみます。

若女房・お松の可憐さ、艶っぽさを、吉田清五郎、
母・妙三のしんみりと柔しい老婆ぶりを、吉田簑一郎、
兄・綿商の大文字屋栄三郎を、吉田幸助、
不運の中の、それぞれの情味を、三人三様、綿々と熱演します。
道具屋の万屋助右衛門、吉田玉女が後半の流れを作ります。
 世話物として最上というのも肯首できるところです。

 今年の観劇予定は、これでオシマイです。
 ところで、開場前に、「伝統芸能情報館」の、〈代々の団十郎を見ていて、昔の団十郎が送った礼状の、簡潔な書簡文(ご自愛、とか、取りあえず、などの使い方)が参考になるので、スマホで写真を撮らせていただきました。原本ではなく、訳文です。★




スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

感動人

Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

最新記事
最新コメント
FC2カウンター
検索フォーム
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

記事のカテゴリ
読みたいテーマを選択してください。
リンク
RSSリンクの表示