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圧巻。燕三(三味線)、咲大夫(太夫)、吉田和生(人形)、三業一体の『合邦』~2月・国立劇場文楽公演に行って参りました。

  今夜から、また、雪とか。空に降る雪が、そのまま白髪になるような嘆きを書いたのは、呉の詩人でしたっけ。
 きょうは、東京・国立劇場で、2月文楽公演、

第1部(11時~14時)、『摂州合邦辻』(万代池の段)(合邦庵室の段)、

第2部(14時30分~17時30分)、『小鍛冶』、『夕霧・伊左衛門 曲文章』(吉田屋の段)、『関取千両錦』(相撲場の段)、
を聞きました。

 いつも、舞台の終わりに近くなると、ブログの「見出し」が自然と頭に浮かんできます。今回は、上記表題を浮かべました。

 まず、「合邦」・合邦庵室の段、

の三味線・鶴澤燕三、切・豊竹咲大夫それに、玉手御前・吉田和生が圧巻でした。
もう、見事な、「一体」となった迫力。

 それに至る、前・竹本津駒大夫も見事でした。余談ながら、膝に置いた右手の親指が細かく震えている熱の入り方。
中・豊竹咲甫大夫も美声で聞かせました。

 瀕死の玉手御前、「イエ イエ イエ、そりゃお父様の了見違い・・」、そして父、「オイヤイ、オイヤイ、オイヤイ・・それで毒薬を進じたな」、「出かした、出かした、出かした・・娘やい・・」、合邦道心・吉田玉也ともに、悲劇のクライマックスに、手を拳にして見入ってしまいました。

 余談ですが、「万代池の段」の最後に、「西へ、西へ・・」と逃す言葉ですが、何気ない、西というのは、「西方浄土」の方向でもあるんですね。
 ですから、昔、杖(つえ)を栗の木で作った時代もあったのです。ほら、「栗」の字は「西」の「木」でしょう。
 もともとは、行基からですが、芭蕉の「奥の細道」の「十一」にも出てきますよ。

 閑話休題。この日、第2部は、邪道と言う人もいますが、やはり期待の、三味線曲弾きがある「関取千両幟」。
 このために、私は、9列目、上手寄り、20番台の席をとりました。
 でも、物語を随分と省略して、中間からの、まるで、曲弾き用のような組み方です。

 おとわ(は)、またしても竹本源大夫休演で、このところ代演が続く豊竹呂勢大夫。でも、代演は、チャンスでもありますが、今回も見事でした。

 三味線・鶴澤藤蔵。初めから快調に飛ばしました。

 そして、いよいよ、「猪名川内」から「相撲場」の場面転換で行われる、三味線の曲弾きです。
 フィルムでは、見たことがあるのですが、実際に舞台で観たのは初めてです。
 バチを弦と竿の間に入れたり、三味線を頭上に上げたり逆さにしたり、立てたり、掲げたりのアクロチック演奏ですが、別にこれで芸を、どうのこうの言われないのですから、もう少し遊んで、リラックスして、楽しんで弾いてもよいのでは・・。
 たまたま、バチを落としたときは、こちらまで緊張してしまいました。

 それよりも、好みでしょうが、その前の胡弓がいやにウルサい! 三味線や太夫の音にかぶり、ムードも壊してしまうように感じました。

 しかし、いつもながら、人形・吉田簑助(おとわ)は、秀逸です。最後、籠に乗ったおとわ(身売りするんです)を見た隣の観客は、「あっ!」と息を飲んだ(行く末を心配した)ようですが、ご心配には及びません。


 「曲輪文章(ぶんしょう、は一字で書きます。)」の「吉田屋」は、切・豊竹嶋大夫(三味線・豊澤富助)が、切々と、正当的に、じっくり語りました。口の豊竹睦大夫も力演でした。
 そして、重そうな人形・夕霧は、桐竹勘十郎の達者な遣いで見惚れてしまいます。

 「小鍛冶」。能では、二場からなる「五番目物・切能物」で、その日、最後に演じられる演目です。
 その日の能番組全体が、「序・破・急」で構成された、「急」にあたりますので、テンポの早い作品であるのが特長です。また、ふつう最後ということで、祝言の内容を持つ曲などが多いのが特徴です。約1時間。
 この日は、第2部の初っぱな。能楽風に演じられます。人形の足が「すり足」で歩くのじゃないのは当たり前でしょう。
 
 でも、この演目は、あえて無くてもいいかな。その代わり、「関取千両幟」をもう少し、最初からきちんと演じてもらいたかったですね。

 この日は、盛り込んだ「(よりどり)みどり」公演で、第1部と第2部を一度に聞いて、疲れて、途中、少し、聞き方がだれてしまいました。もう歳ですね。

 来週は、上野の文化会館に、オペラ 『こうもり』 を観に参ります。

 今日の演目の、 このブログでの「予習」は、

『関取千両錦』は、 http://kandoujin.blog48.fc2.com/blog-entry-400.html

『摂州合邦辻』は、http://kandoujin.blog48.fc2.com/blog-entry-402.html

また、『曲文章』の外題に関する記事は、http://kandoujin.blog48.fc2.com/blog-entry-397.html

『小鍛冶』は、少し前の記事ですが、 http://kandoujin.blog48.fc2.com/blog-entry-132.html の後半です。

です。ご参照ください。

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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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