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安藤優一郞 『江戸の間取り 百万都市を俯瞰する』 ~これを知っていれば、時代小説がもっと面白い。

 今日の本は、

安藤優一郞 『江戸の間取り 百万都市を俯瞰する』(彩図社)

です。(2020年1月24日刊行)

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 本書の、個々の平面図を眺めているだけでも楽しくなります。そして、この時代は、武士も町人もすこぶる格差が大きいのに気付きます。

 時代小説を読んでいると、筋を追うのに懸命で、出てくる用語を確かめている暇がありません。かといって、読了後に、いちいち当たることもしませんから、用語だけを知っている、と言うことが往々にしてあります。

 江戸城本丸御殿の〈表〉(儀典と役人の政務のエリア)の、大広間(約500畳)、白書院黒書院の場所だとか、用途だとか、大広間から白書院に行く中庭に沿って、約50メートルの〈松の廊下〉と、徳川御三家の控えの間があるとか、
 勿論、本丸御殿中奥(将軍の政務と生活エリア)や大奥(御殿向、長局向、広敷向のエリアがあり、奥女中は、約1,000人)の詳細もあります。
 因みに、御側衆への権力集中は、図面からも伺えます。

 下級武士である御家人(御家人は、将軍への御目見得の資格がありません。)衆の屋敷は、まとめて与えられ、例えば、将軍警護の御徒が集まっていたのが、今のアメ横通りを抜けたところの〈御徒町(おかちまち)〉であるとか、
 御家人は、拝領地を又貸しして生活の糧にしていて、例えば、借地人に青木昆陽がいたとか、サイドビジネスに、朝顔市に発展した朝顔の内職の話もあります。

(以下、下記の「続きを読む」をワン・クリックしてお読みください。)


 上屋敷【現役藩主が住む】、中屋敷【隠居や世継ぎが住む】、下屋敷【別荘・倉庫・避難所の用途】の違いだとか、尾張藩戸山屋敷の13万坪の壮麗さや、庭には街のモデルが130メートルにもわたってあったとか、
 〈御成門(おなりもん)〉は、将軍が訪ねて来るときの門だとか、

 あるいは、町割り(実際の町数は、八百八町とは言うものの、1,600町を超えていた)、商店(表店【おもてだな】・裏店【うらだな】)、長屋(表長屋裏長屋)の配置や平面図とか、江戸に600軒あった湯屋の平面図とか、吉原(元吉原・新吉原)、木戸番屋、小伝馬町牢屋敷、隅田川河口の人足寄場、養生所、芝居小屋、宿場町、郊外の豪農屋敷だとか。

 町奉行の超多忙と実力主義は、はっきり知ることが出来ました。

 知っていそうで知らない知識が満載で、この知識を知っておくと、時代小説を読んでいても、イメージがはっきりします。

 惜しむらくは、全体図と部分平面図の方角がはっきりせず、比較の時にやや困ることと、寺院については、内部の平面図が無く、増上寺、寛永寺、浅草寺、神田明神、日枝神社などの区別だけで終わっていることでしょうか。
 一般教養としてもお薦めの一冊です。

 今週は、映画とオペラに行く予定です。あまり、この時期、人込みには行きたくはないのですが・・・。★
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Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

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