FC2ブログ

海野弘 『二十世紀美術 1900-2010』 ~ この本で、ようやく、モダン・アートの霧が晴れて、観賞が面白くなって来ました。大いにお薦めの一冊です。引き続いて、『西洋美術の歴史 8(20世紀)』も読んでいます。

 まずは、日曜日、「銀座松屋」で、開催されていた「私立小学校児童作品展」に行き、孫達(学習院初等科5,3年生)の作品を見て、その後、食事をして来ました。
 写真は、3年生の《魔除け》。5年生は、《七福神》でした。

20200202190625919.jpg 

 帰りの地下鉄銀座線は、超の付くガラガラ。コロナ・ウイルスの影響で、外国人旅行者も少なく、また、外出を控えている人が多いからなのでしょうか。

 さて、遅くなりましたが、前々回、少し触れた本のご紹介です。
 昨年秋から。集中してモダン・アートに関する展覧会を観たり、書物を読んでいて、ようやく、全体像が見えて来た気がします。
 今回の本は、

海野弘 『二十世紀美術 1900-2010』(新曜社)

です。

20200117180654f17.jpg 

 実に読みやすく(理解しやすく)、今まで溜めていた疑問も大半、氷解しました。
 その前に、ちょっと先に進みますが、この本を読んだ後、今、読んでいるのが、

『西洋美術の歴史 8(20世紀)』(中央公論新社)

です。

20200126170256845.jpg 

 海野著で、まだ、あやふやなところは、この本(以下、「歴史版」と要約します)で分かりました。
2冊の本を読んだおかげで、モダン・アートについて、ほぼスイスイと理解でき、画家の話が出て来ても、絵が頭に浮かぶようになって来ました。

 まずは、(海野さんの本ですが)、20世紀以前の、後期印象派象徴主義、曲線に特長あるアール・ヌーボーのデザインの話からはじまります。

 その後、20世紀を10年ごとに区切って、その間のアートの流れを、まずは「展望」で総括し、次に、各論的に説明しています。文章も分かりやすい。
(因みに、「歴史版」の方は、論点整理的な記述で、こちらでは、《イズム》、《フォーマリズム》等もよく理解出来、また、こちらだけに記述がある《ディアスポラ》という用語等、良く頭に入って行きます。)

 海野書は、「失われた世代」とか、その時代の関連用語が、幅広く、分かりやすく説明されていきます。
 特長が、巻頭の図表(「二十世紀美術の流れ」)です。

 私は、まずこの図をコピーしてから、本文を読みながらメモして行きました(文字通り、びっしりと埋まってしまいました。なお、「歴史版」を読むときにも、記入用に使っています。)。
 今までの疑問やモヤモヤが氷解しました。
 この本も、今年印象に残った一冊になります。

(以下、下記の「続きを読む」をワン・クリックしてお読みください。)

 まず、思うのは、当たり前ですが、モダン・現代アートは難しいということ。これを、素直に認めて良いんです。
 だから、前回も述べましたが、「評論家の時代」でもあるのです。
 クレメント・グリーンベルグとか、ハロルド・ローゼンバーグとかハーバート・リードとか、彼らが現代アートを解説し、様々な難解な用語を作っていきました。

 しかも、時として、同じことに別々の用語を作りましたから、我々が理解するのは容易ではありません。
(ただ、その評論家も、ミニマリズムに対抗し、逆にポップ・アートに反撃された「コンセプチュアル・アート」で、アーティスト自らが作品コンセプトを語る時代には、評論家の出番が消えて行きましたが。「美術批評の解体」と本書では言っています。)
 これが1960年代です。

 この時代は、

・・1920年代の、パリでのシュルレアリスム、直線が特長のアール・デコ、それに新古典主義の復活
・・1930年代の、スターリンによる社会主義リアリズム、
・・1940年代の、画家の内面を主眼にした《抽象表現主義》、とシュルレアリスムがパリ固有のものから国際的になった時代(《国際的シュルレアリスム》)、
・・1950年代の《ポスト・ペインタリー・アブストラクションハード・エッジカラー・フィールド)》、の次の時代です。

 ところで、私が、17歳から持ってる1964年刊行の、

『講談社版世界美術大系』第22巻アメリカ美術

を持ってきて見てみると、当然ながら、60年代後半以降が書かれていません。
 抱えるほど大きなこの書物の後半全部は、美術ではなくて「建築」の図録ばかりです。つまり、《ポスト・モダン》が全盛だったことが伺われます。

 もっとも、その後といっても、

・・1970年代以降は、具象美術回帰(ニュー・リアリズム)、グラフィック・アート(《グラフィック》とは、落書き)、新表現主義などの登場ですが、むしろ、フェニニズム、エコロジー、エイズ、経済バブル、といった問題が大きく登場します。
 ニュー・エイジ、ミー・ゲイト(私的、自己中心的傾向)も大きくなります。

 今日の、私たち鑑賞者は、大きなアートの傾向、世の流れを知って、数多く作品を観ていくと、自然と一端の議論が出来るようになってきます・・これが、私の結論です。

 モダン・アートの大河の中では、印象派・後期印象派、シュルレアリスム、抽象表現主義の柱は、大きな柱でしょう。 
 そこから、様々な、特に、米国に中心が移ってからは、覚えきれないほど流派が出ます。しかも、一人の画家が幾つかの流れに入っている場合があります。

 ですから、ある程度基本が分かると、感情・主観・内面を描いたモダンアートを観るのが苦にならないばかりか、外の見える世界を描いた絵画、リアリスティックな絵画は、ややつまらなくなって来ることもあります。
 その意味では、数か月かけて、ようやく、モダン・アートに対してある種の開眼をしました。

 さて、東京都美術館で、「ハマスホイとデンマーク絵画」が始まりました。デンマークという国自体を研究してから観に行こうと思って、これらの書物も読んでいます。

 特に、疑問が・・、
1 北の暗い風景の国なのに、なぜ、明るい絵ではなくて、あえて暗い絵ばかりをを描いたのか、
2 なぜ、1980年頃まで、忘れられていた(無視された)のか、
・・を知りたく思います。
 つまりは、このところ、さらに、読書三昧ということです。★


 

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

感動人

Author:感動人
 芸術全般を愛する団塊世代です。
 「引退後」、たっぷり時間をかけて、いろいろな芸術を初心にかえって学び、横断的に、楽しんでいきたいと思います。もうひとつ、心身共に健康に「年をとっていく」ための、生活のマネジメントも「同時進行」でお伝えします。
 のんびりと過ごしたいと考えています。お寄せいただくコメントなども、論争などは避けて、ゆったりしたお話をお寄せください。

最新記事
最新コメント
FC2カウンター
検索フォーム
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

記事のカテゴリ
読みたいテーマを選択してください。
リンク
RSSリンクの表示